Online Zine "Who Loves the Sun?" をはじめました

#OnlineZine

こんにちは、片瀬です。

このたび ”Who Loves the Sun?” というタイトルでオンラインのZINEをはじめました。

ここではサイトのコンセプトや経緯について簡単にご紹介したいと思います。

Who Loves the Sun?

このZINEは、音楽やアート、映画、アニメ、食、都市、風景など、私が目にしたものについて雑多に書いていくものです。モトクラシズムというサークルで「推す」「推される」ことについて考える雑誌や「恋愛」と「風景」をテーマにした本を作ってきましたが、紙のメディアに載せるような長くてリサーチに時間をかけた論考よりも、よりラフに自分の関心を公開できる場所がほしくて作りました。批評というほど気合の入ったものではないけれど、読んでいて何かしら新しい発見がある文章を上げていけたらと思います。

なぜオンラインのZINEなのか

理由はシンプルで、SNSに疲れたからです。

フェイクとヘイトとスパムにはもううんざり、そんな投稿を流して金を稼いでいるプラットフォームも最悪……。みんなこう思っているはずなのに、誰もプラットフォーム依存をやめることができていません。

Mastdon、Bluesky、Threads、Mixi2……。既存のプラットフォームがひどくなるたびに、あるいは新しいサービスが出るたびに、よりマシなSNSを求めて「移住」をするという流れもありました。しかし、それが成功した例はあるでしょうか?

私たちは、もうプラットフォームに期待するよりも自分でメディアを作ったほうがよいのかもしれません。

同人誌文化の広がりや近年のZINEブームのおかげで、紙のメディアをつくるハードルは非常に低くなっています。誰かに伝えたいけど全世界に公開したいわけじゃない、プラットフォームに書かされるのではなく装丁や組版、流通経路も自分でデザインしたいといった希望を形にし、情報発信のコントロールを自分の手に取り戻すために、インターネットから撤退して紙のメディアを使ったコミュニケーションを行うのは一つの有効なアプローチです。私もモトクラシズムというサークルを立ち上げ、紙の雑誌や本を作ってきました。本を売り歩きながら色々な人と話をしていくのは楽しいですし、案外SNSで投稿しているより遠くの人に届くことだって少なくありません。

しかし、紙の本もまた万能ではありません。趣味としてできる程度とはいえそれなりのコストがかかりますし、売れなければ在庫を抱えることになります。どれだけ努力しても、素人の手が回る範囲では大抵数百人に届けるので精一杯です。加えて、紙とインクを作るためには木材や石油といった資源を必要とします。平和主義や民主主義、国際協調といった国際社会の前提が崩れてきた中、アメリカが適当な理由をつけて産油国を攻撃し日本はそれを批判できないという状況はますますエスカレートしてきました。インク不足への懸念やコスト高から日用品でもパッケージの印刷を簡素にする製品が出てきていますが、出版ははたしてどうなるのでしょうか。

しかし、改めて考えてみるとSNSというのはインターネットの一部でしかありません。現代では半ば「インターネット=SNS」として雑に語られることも多いですが、かつてテキストサイト全盛の時代には多くの人がそれぞれ自分のWebサイトを持っていたことだってあったのです。当時のやり方なら、腕さえあれば自分の書きたいことを自分の好きなデザインで公開することができますし、人々は検索エンジンだけでなくリンク集を通してネットワークを作っていました。巨大SNSには人々を強制的に出会わせるアルゴリズムがありますが、逆にそこから距離をとりたいのであれば、実は昔の個人サイトに実装されていた機能で事足りることが多いのではないでしょうか。インターネットだって、自分でメディアを作れば紙と同じように自分の発信をコントロールすることができるのです。

それから十数年、サーバーや端末、通信インフラの進歩、様々なツールやサービスの開発があり、かつてよりもっと安全に、もっと自由なデザインで、様々な機能を備えたWebサイトを簡単に作れるようにになりました。しかし、SNSでもブログでもなく自分のサイトを立ち上げる人は今日非常に稀です。また、プラットフォーム資本主義から距離を取ろうとする動きとITを使いこなそうという動きはあまり重なっていません。ですが、テクノロジーのもつ力をよく理解している人たちこそがテクノロジーのより良い使い方を提示できるのではないでしょうか?

このサイトはあくまでZINEであり、大企業が運営するWebメディアではありません。骨太なジャーナリズムも洗練された文学的な文章も載ることのない、SNSやブログで事足りる程度の内容です。

しかし、普段づかいのメディアにおいてもやはりコミュニケーションを自分の手に取り戻すことは重要です。もう惰性でプラットフォームに搾取され続けないために、このオンラインのZINEという試みをはじめていこうと思います。

RSSリーダーで購読できます

とはいえ、私たちはすっかりSNS中心の情報環境に慣れきっています。ネットサーフィンという言葉も死語になりつつあり、ブックマークやリンク、検索エンジンすらもあまり使わなくなってしまっているのではないでしょうか。面白いWebマガジンがあったとて、定期的に調べて記事の更新をチェックするなんてことは、私自身もできそうにありません。私たちはSNSをだらだらと見てしまう一方で、検索して辿り着くWebサイトにもまたうんざりしているのです。

その理由は、おそらく2つ挙げることができます。

ひとつは大量の広告やポップアップです。開いたら広告、スクロールしたら広告、文章の合間に広告、放置していたら広告。closeを押したと思ったら「通知をオンにしますか?」「アプリをダウンロードしませんか?」。いくらそれで生活している人がいるとはいえ、最悪のユーザー体験を我慢してまでみたいコンテンツなんてそうありません。SNSも広告にまみれていますが……とりあえずスクロールくらいはできます。

しかし、オンラインのZINEはふつう収益のために行うものではないので、必死に広告をつける必要がありません。幸いこのサイトは勝手に広告をつけてくるサービスも利用していませんし、維持費は年間2000円弱のドメイン料のみなので広告なしで運営していくことができます。これだけで普通のWebマガジンよりよほど見やすくなると思います。

もうひとつは、膨大なコンテンツの中から自分にとって意味のあるものを見つけるためには膨大な手間と時間がかかるということです。もはや自分でひとつひとつブックマークを巡ってサイトを隅々までみてまわることは現実的ではありません。

そこで使えるのがRSSリーダーです。Webサイトの更新情報を配信するためのRSSというフォーマットがあり、Feedlyのようなリーダーアプリでフォローしていると新しい記事の更新がないか収集してきてニュースアプリのように表示してくれます。実は新聞社や商業Webメディアの多くもRSS配信をしていて、中には全文配信してしまっているところもあり、RSSリーダーで読めば広告無しでスムーズに読めることもあるのです。noteやポッドキャストなどのサービスでは自動的にRSS配信されるので、そうした場所で発信している個人もフォローすることができます。

このサイトも全ての記事を全文RSS配信しています。お好みのRSSリーダーでフォローしていただければ、Webマガジンを定期購読するように読むことができます。面白そうだなと思ったらアプリ内で検索するか、リンクを入力してフォローしてみてください。頑張ってデザインしたのでサイトまで見に来てくれたら嬉しいですが……。少なくともこの広告収入で生活しているわけではないので、どちらで読んでも私は儲かりません。

発信だけでなく、読み方においてもプラットフォームに依存しないスタイルに変えてみませんか?

一緒にオンラインのZINEを作りませんか?

SNSからは距離を取りたいけれど、誰かと繋がりたい。そう思っている人は少なくないだろうと私は信じています。

もしこれを読んで自分もやってみたいと思った方がいたら、オンラインのZINEを作る上で重要な考え方を次の記事でまとめた次の記事を参考にしてみてください。

また、「#MakeZinesOnline」というハッシュタグを提案します。作ったZINEをSNSで告知する際などに使ってみてください。SNSユーザーにこそ、この取り組みが届けばと思っています。

それでは、よいOnline Zine体験を!

Author:片瀬